働く方のメンタルヘルスの不調でよく見られるものに、「睡眠障害」、「不安障害」、「パニック障害」、「適応障害」、「うつ病」、「双極性感情障害」などが挙げられます。
不調の原因として、現代は様々なことが便利になる一方で、選択肢が増えたことによるストレスがあります。また、仕事の量、労働時間や地位の変化などによる環境の変化などのストレスで疾患を抱える方が年々増えています。
こころの不調を深刻化させないためには、早期の対応が必要となります。ひとりで抱え込むと、回復までに時間を要することもあり、こころの健康状態を保つために、定期的に専門の医療機関へ相談していくことが大切になります。
主婦の方のメンタルヘルスの不調でよく見られるものに、「産後うつ」、「月経前症候群(PMS)」、「更年期障害」などが挙げられます。
不調の原因として、夫婦間のコミュニケーションの悩み、家事・育児の悩みなどにより、自分のことを後回しにしてしまう傾向があります。加えて、ホルモンの影響もあり、特徴的なこころの不調がみられることがあります。
こころの不調を深刻化させないためには、早期の対応が必要となります。ひとりで抱え込むと、回復までに時間を要することもあり、こころの健康状態を保つために、定期的に専門の医療機関へ相談していくことが大切になります。
産後6ヶ月以内に、ゆううつな気分、不眠、イライラ感、不機嫌、意欲低下、全身倦怠感、母親としての自信喪失、自己嫌悪などの症状が出現し、育児や家事などが手に付かなくなる状態です。産後うつ病は、産後女性の10人~15人に1人が経験するといわれています。産後うつは、育児が出来なくなるため、子どもの発達や成長にも影響を与えてしまう可能性があります。
月経前、3~10日の間に起こる心身の様々な不快症状で、月経開始とともに軽快・消失します。身体的症状としては腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなどがあります。精神的症状としては情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害、倦怠感などがあります。
通常、婦人科で相談される方が多い病気なのですが、抑うつ気分、不安やいらいらなどの症状が強い場合は、並行して精神科・心療内科的治療が必要な場合があります。治療には漢方薬、抗不安薬や抗うつ薬を使用することがあります。
個人差はありますが、女性が閉経を迎える年齢は50歳前後で、その前後10年間ほど(45歳~55歳)を更年期と呼びます。更年期になると、女性ホルモンの分泌量が減るため、心身に様々な不調が表れます。ライフサイクルの変化も起きやすい時期なので、環境や人間関係が大きく変わることも要因となりえます。更年期障害は、のぼせや発汗などが特徴的ですが、頻度としては肩こりや倦怠感、頭痛なども非常によくみられます。
通常、婦人科で相談される方が多い病気なのですが、抑うつ気分、不安やいらいらなどの症状が強い場合は、並行して精神科・心療内科的治療が必要な場合があります。治療には漢方薬、抗不安薬や抗うつ薬を使用することがあります。
高齢者の方のメンタルヘルスの不調でよく見られるものに、抑うつ気分や、不安、緊張、妄想などの症状があります。不調の原因として、脳の老化に伴う認知症と、老年期にある家族との死別、社会的役割の喪失、経済的不安などの喪失体験や体調不良、行動力低下などによる慢性的ストレスによる老年期うつ病があります。日本では高齢者の10%がうつ病であると考えられています。
認知症の場合、認知症を完全に治す治療法はまだありませんが、早期に診断することにより、薬によって進行を遅らせることができます。原因によっては症状が急激に進んだりする場合がありますので、早期発見、早期治療で進行を抑え、症状を軽くしていくことが大切になります。
うつ病の場合、適切な治療をすることで、症状を改善させることができます。高齢者のうつ病は、一般的な老化現象と勘違いされることもあり、症状に気がつくのが遅くなるケースがあります。高齢者本人が専門の医療機関に受診することを躊躇する場合があるため、ご家族や周囲の方の見守りの中で、高齢者のかたの日々の様子の変化を確認し、これまでと様子が違う場合は、早めの受診を勧め、症状を軽くしていくことが大切になります。
また、高齢者の方のメンタルヘルスの不調にならない工夫として、新しい趣味や習い事に挑戦したり、社会的な活動に参加したり、散歩や人とのコミュニケーションをとるなど、自分に合ったメンタルヘルス対策が大切になります。
中学生や高校生の時期は、立ち眩みやめまい、朝起き不良などの起立性調節障害や腹痛と下痢や便秘の症状を繰り返す過敏性腸症候群が多くみられます。また、片頭痛の症状は雨が降る前など気圧の変動やストレスが影響して強い拍動性の頭痛がみられます。
いじめ問題や不登校、思春期の心の葛藤に伴い、不眠、不安、抑うつ状態などの症状もみられます。また、これらの症状を引き起こす根本的な問題に発達障害がある場合があります。
学生の方は悩みを隠し、一人で抱えてしまう傾向にあるため、ご家族の方が、少しの変化に気づいてあげて、手を差し伸べてあげることが大切になります。不調を深刻化させないためには、早期の対応が必要となります。ひとりで抱え込むと、回復までに時間を要することもあり、こころの健康状態を保つために、定期的に専門の医療機関へ相談していくことが大切になります。
起立性調節障害は、小学校高学年から中学校の思春期の子どもによく見られる自律神経機能不全で、中等症や重症の場合、朝なかなか起きられないことから不登校につながることもあります。
自律神経の機能が低下し、循環器系の調節がうまくいかなくなることが原因です。たちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠感、動悸など、自分の意思ではコントロールできない症状が現れます。午前中に症状が強く出る傾向があり、午後になると軽減もしくは消失する特徴があります。このため朝、起床できなくなり、登校しぶりや不登校になることもある一方、午後からは症状が改善するため、仮病(詐病)と間違われることもあります。
起立性調節障害は、怠け癖ではなく自分の意思ではどうにもならない体の病気です。小児科を受診すると起立性調節性障害と診断されることが多いですが、精神科を受診すると適応障害、身体表現性障害、パニック障害、うつ病と診断し治療をすすめることもあります。
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